予感 〜1998

コップ一杯の水だけ飲んで出かけるいつもの朝。
定刻ぴったりに来るいつものバスには、
疲れたような顔のサラリーマンがいつもの席に座っている。
いつものようにできるだけ誰とも会わないよう時間ぎりぎりに校門を抜け、
4階までの長い階段を登りいつもの教室の扉を開ける。
私のことを見て声をひそめるクラスメイトたちもいつものこと、
気にせず落書きで真っ黒にされたいつもの机に着く。

でも今日は少しだけいつもとは違った。
混乱する教室で綾城さんだけが笑っている。
――少しだけ日常が変わる予感がした。


オリジナル | メカ | アナログ
2013/02/10